こんにちは! mikoと申します。
今回は脳梗塞の後遺症で「片麻痺」を抱えながら、介護保険制度 を利用し「独り暮らし」を続けている姉を 訪問ヘルパーと共に支援し始めて知った「食生活」の困難さを取り上げてみたお話です。
我々健常者にしてみれば何気ない動作、日常生活において、当たり前に出来ている動作が悲しいかな障害者には出来ないのです。
独り暮らしの障害者
片麻痺を抱えた姉 にとって食事は時間の要する仕事みたいなものです。
「片麻痺」と聞けば
【脳梗塞】の後遺症の会話になるとこんな具合になります。
時間はかかるけど、食事はできるので介護支援し始めた頃、私にも姉の食べる苦労が理解できていませんでした。
知らなかったことばかりで私の心は「歯がゆさ」と「辛さ」が爆発しそうです
片麻痺障害者の困難さ
- 全ての動作には利き手の力がないと何も出来ません
- 舌も半分の感覚なので思うように動いてくれません
- 呑み込む感覚も半分
- 食事の時、口の中で思うように噛んだり、動かしたりするのが困難
- あごに張り付いたものや、歯に挟まったものを舌で取れない
- 魚の骨など口に入ったら取り出せない
- トマトの皮が張り付くと手で取らねばならない
- 食べ物、飲み物を簡単に呑み込めない(麻痺のない右へ通さないと誤嚥になり危険)
- 唇の感覚も半分だから、食事中、口から食べ物がこぼれやすい
など計り知れない困難があります。
特に呑み込むとき、麻痺側に入ってしまうのが要注意!
味噌汁の食べ方
味噌汁の食べ方
- 具をお箸で取り、麻痺のない方へ運ぶ
- 噛んで、注意しながら呑み込む
- 汁はレンゲに持ち替えて注意しながら飲む
- 汁椀は軽いと倒れやすいのでせともの鉢に入れてもらいます
うどんの食べ方
うどんの食べ方
【犬食い】と言う言葉をご存知ですか?
犬食いとは手で器を持たず、器に顔を近づけて食べる様子を云います。
- うどんを犬食いのように前のめりになってお箸で少しずつ口へ運びます
- よく噛んで注意しながら呑み込みます
- 具はお箸で取り、麻痺のない方へ運びます
- また、よく噛んで、注意しながら呑み込みます
- 汁はレンゲに持ち替えて注意しながら飲む
- 具と汁を一緒に食べては喉に詰まる危険性ありです
汁がこぼれやすい場合はどうしても「犬食い」になってしまいます
食事も一苦労
片麻痺の者にとって食事は大変な仕事です。
独り暮らしでは食事の用意はヘルパーさんにお願い出来ても、支援時間に制限があり独りで食べなければならないのが現状です。
片手だけでの動作には限りがあり、盛り付け器も考えないとお箸の動きに困難が生じます。
例えば「焼き魚」の場合は身を解すにもお皿の上で逃げられては解せません!
平なお皿ではなく、周りがほんの少し囲まれた方が身をほぐしやすいです。
食卓の上はスベリ止めマットを敷いて、器のスベリをなくす工夫していますがお皿の上で 魚や食材が逃げる場合は防げません。
添え手がないので、お頭付きなんて到底食べられませんし、魚の骨をお皿の上でさばくのは困難です。
魚料理だけでなく、他の献立にも先ず「食べやすい料理」を考えねばなりません。
健常者が何気なくする動作が「出来ないことだらけ」の食事なのです。
「食べたいもの」ではなく「食べやすい」おかずが優先順位となります。
両手が使えない食事は苦労の連続です。
意志にかかわらず喉を通過
何とか食事の動作が進み口に運びます。
喉通りがよくなるように「よく噛んで」呑み込みます。
【呑み込み】が一番注意しなければなりません。
麻痺の方向へ行ってしまい「むせたり」「引っ掛かったり」「詰まったり」となればどうすることも出来ず【誤嚥】になって命を落とす危険性が大きいのです!
誤嚥の危険性は、具と汁が一緒に喉を通過するとき、自分の意志と関係なく流れ込んでしまって、麻痺側に具が詰まったり、具と汁が一気に流れ込み「むせたり」「貼りついたり」してしまう可能性があるので別々に食べなければ危険なため「味噌汁を味わう」なんて望めません。
味噌汁だけではなく、意外と食べづらいものが多すぎます。
食事の楽しみなんて「諦め」しかないのです
好きだった食べ物も断念するしかないのが辛いです。
まとめ
片麻痺になってみて、日々の何気ない動作がこんなにも困難だと知りました。
介護なしの生活は出来ず、かと言って「施設への入居」も思うようにならないのが実情で介護制度の厳しさを痛感しています。
左手でお椀をもって、熱い「お味噌汁」「お茶漬けさらさらと流し込む」「フーフーしながらうどんを・・」なんて「ささやかな望み」も叶わぬ夢となってしまったのが残念としか言いようがないです。
姉の介護支援をし始めて、健常者にはとても理解できないことの多さに、障害者の苦労を理解する配慮が必要だと痛感しています。